AMP、導入すべきかしないべきか

(ここに書かれている情報は、執筆時の情報であることにご留意ください。)

ここ半年か一年くらい、検索結果で雷みたいなアイコンが出てるのを見たことはありませんか?それはAMPといって、モバイルからの表示速度増を主な目的として数社が共同で策定した規格だそうです。

仕事でも導入すべきかという議論がちょっと出まして、調べてみたものをせっかくなのでメモしておきます。

AMPとは

googleなど数社が策定した規格で、作りとしては検索エンジン側に一度専用のページをキャッシュしておき、普段はそこの情報を読み込むことで、反応速度や読み込み速度をあげる仕組みだそうです。

AMPのメリット

表示速度が速くなる

こちらは前述の通りですが、回線の太さだけではなく、AMP対応の際に一度検索エンジン側でキャッシュされるため、普段より応答速度自体も早くなります。また、エフェクト用のjsなども読み込まないため、その分も早くなります。

ルーセル表示になる

検索文字の枠の下あたりに横スクロールで出てくる枠を「カルーセル(回転木馬)」というのですが、その枠に出やすくなるとのこと。

ただし、全ての場合で出てくるわけではない(恐らくは画像表示があり、かつある程度の新着性がある場合?)のと、掲載された場合でも確実にクリックが増えるわけではないことは留意した方がよさそうです。例えば他のページの内容が目を惹くものだったり、カルーセルの奥の方に埋もれてしまったり。

新着ニュースをよく扱うサイトだと向いているかもしれません。

AMPのデメリット

工数がかかる

既に大規模なサイトを組み上げてしまっている場合は、これが一番のネックになりそうです。対応自体はそこまで大きなものではないので不完全な状態で出してその後改善、という流れでもいいのですが、ちょっとでも崩れてるとかなりUIを阻害することになりそうです。実際ページの下の方とかにやたらでかい隙間があるページとかたまに見かけたりします。

直接利益に繋がる何かがあるわけではない

広告入れてる場合は勝手に消されたりとかそういう事はないようですが、読み込み時間が減るのに伴ってのimp増やビューアビリティ増でCPMが恐らく少し増える程度で、PV自体の大幅増まで見込めることはなさそうです。

ユーザー観点からしたAMP

これはちょっと微妙なところではあるんですが、確かに余計なjsでのエフェクトとかがない分軽いとは思います。ただ、上でも少し触れた通り不完全なAMPサイトを結構みているので、あまり良い印象がない、というのも正直なところです。

結論

小規模なサイトや、テンプレート的にさくっと対応できる作りなら対応してもいいかも。ただし、わざわざ開発工数をかけて導入するのは検索結果への影響などが分かってからでも遅くないかなーと思います。

将来的に規格として残るものなのかという問題もありますね。

最近の布団は凄い!QOL上がった感があります

今まで薄い敷布団掛け布団のセットを使っていたのですが、この間ベッドに買い替えてみてびっくりしました。

といっても高級羽毛布団とかではなくてニトリで一万くらいのマットレスと一万くらいの掛け布団なのですが、買う前は「冬の時期にこんなに薄くて大丈夫か?」くらいに思ってました。最近の布団って凄いですね

もちろん敷布団からベッドに変えたことで、地面からの冷気が直接伝わらない形になったことも大きいかと思います。ただ、やはり明らかに熱を逃がさない効果がすごく高いです。薄い布団一枚しかかぶってないのに、数分たつともう熱がこもりだしたのを実感できるレベル。

いやあびっくりです。

www.nitori-net.jp

買ったのはこれだったかな。

狂気と妄想の地獄を超えれば、ほんとうの愛へ辿り着く:Doki Doki Literature Club!レビュー

Doki Doki Literature Club!とは、Steam / itch.ioで公開されている無料のビジュアルノベル。そもそもどういったゲームかを知りたい方には、この記事を一読してほしい。記事内では日本語はないと記載されているが、こちらから日本語パッチをダウンロードできるので、英語が苦手な方も安心してプレイできる。

jp.automaton.am

上記の記事内や、説明、ゲーム開始時点でくどいほど繰り返される「This game is not suitable for children or those who are easily disturbed.」という説明に嘘偽りはない。

まず、プレイする前に言っておきたいこととしては、

  • 説明文で薄々気付くだろうが、単なる恋愛ADVではない
  • だが、プレイヤーをびっくりさせたり怖がらせるだけのゲームでは断じてない

ということだ。

またプレイしていくにあたっては、

  • ゲームがインストールされたディレクトリを見ながらプレイするとより楽しめる(PCゲームならではの仕掛けがそこかしこにある!)
  • スタッフロールが流れるまではゲームは終わりではない

ということを頭に入れておくといいかもしれない。

ゲームとして、ネタバレを見ることで極端にゲームの驚きがそがれるタイプのゲームなので、本当の本当に怖いのが苦手な人とか子供以外は是非今すぐにでもやってほしい。ボリュームとしてはそれほど大きいわけではなく、3〜4時間くらいでプレイできるはずだ。

※ここから先は軽度のネタバレが含まれます。未プレイの方は読まないことを推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この作品のシステム的な源流としては、恐らくは90年代のエロゲー/ギャルゲー、特にkeyやLeaf、いわゆる葉鍵系と呼ばれたソフトや、沙耶の唄など、18禁である事を逆手に取ったような作品群にまで辿ることができるだろう。

もしくは、終盤に存在するあるメタ的な演出は明らかにスーパーファミコンソフト「マザー2」の影響を感じられる。狂気めいた演出についても同じく「マザー2」や、その演出を受け継いでさらに先鋭化させた「Undertale」などの影響を指摘してもいいのかもしれない。

 

一見恋愛ADVなこのゲームが真相を明らかにしだすのは、一周目の終盤。

一見ヒロイン風のSayoriが、突然ある行動を行う。そして現れるENDの文字。

混乱しながらも再度タイトル画面をみてみると、そこには「New Game」の代わりに何やら見慣れない文字化け風の文字が。クリックすると二周目が始まるのだが、そこから先は怒涛の勢いの演出がたたみかけてくる。

テキストを文字化け風に見せてみたり、女の子の顔のグラフィックをノイズ風にしたり、マウスカーソルの操作を乗っ取ったり、さらにはインストールフォルダに勝手にファイルを作ったり、ありとあらゆるメタ的な手段でプレイヤーを混乱と恐怖に叩き込む。(ゲーム内での週末の間、延々文字化けしたテキストを読ませられるのは本当にきつかった)

だが、単に怖いだけのゲームであればここまでの評価はつかない。さらに先があるのだ。

黒幕であるキャラクターがラストに明かすのは、悲壮なまでの覚悟と、そして愛だった。

それまでの陰惨な展開を経験しているからこそ、その愛は光り輝き、プレイヤーの心をうつ。

※ここから先は強度のネタバレが含まれます。未プレイの方は絶対に読まないように!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の最後、Monikaのファイルを削除した後、彼女は後悔めいた独白を始める。私のしたことは本当に正しかったのか。私の我欲ではなかったのか。あなたの心を傷つけるような酷いことをする権利が私にはあったのか。

消え行くMonikaのセリフを聞き、プレイヤーの心は揺さぶられる。今度は我々が「こんな事をして良かったのか」と後悔する番だ。恋に恋した、もしくはまだ見ぬ世界にあこがれていただけの少女を存在ごと消してしまうような事をしてしまって良かったのか。

しかし、もう一度ゲームを起動してもMonikaはもういない。見えるのはタイトル画面に不自然に残った空白だけだ。

そのままプレイを進めると、ゲーム内で異変が起きる。その時、Monikaは僅かに残った力で、ゲーム自体を破壊する。

そう、他でもないあなたを開放するために、Monikaはこの呪われたゲームを世界ごと破壊したのだ。楽しかった思い出や、クラブのみんなや、文化祭、それに自分自身も、全て。

Monikaは残された手紙で、あなたに感謝の言葉を述べる。本当に楽しかったと。私の文芸部の一員となってくれてありがとうと。「永遠の愛をこめて」と!

その瞬間、Monikaが持っている気持ちはもはや恋ではなく、無償の愛、無私の愛とでも呼ぶべきものだ。ただあなたへの感謝と愛だけだった。

もうゲームは起動することさえできない。ただMonikaの手紙が表示されるだけだ。

Monikaの魂は、呪われたゲームの中という世界から開放され、昇華されたのだ。

どうか、どうかこの純粋な少女の魂に、幸あらんことを。

白物家電の買い方のコツ教えます

そろそろ年度も終わりに差し掛かり、転職や就職、入学などで引っ越しをする方も増える時期でしょうか。ちょうど僕も白物家電を諸々買い替えたので、その時の知見を残しておきます。参考にしていただければ幸いです。

考える前に一度実際に店に行ってみよう

まずは一度店でどういう商品がいいのか聞いてみることをお勧めします。

例えばですが、洗濯機ならどのメーカーが強いのか、サイズはどの程度が妥当なのか、インバーター式なことのメリットデメリットとか、でしょうか。あとはこの商品は中国製だけど、日本の会社を買収して作ってるから品質はそんなに悪くない、とかそういう情報も教えてくれます。

実際そのへんの情報はネットで細々調べるよりも店員さんに聞いてみた方が早いです。特に大きなお店だとお店の人も相当練度高くて、10聞いたら100答えてくれる、くらいのイメージでした。

展示してない商品も多くあるので、何件か見て回れるとベストですね。この時気になった機種の金額や型番もメモっておきましょう。

ネットで金額やスペックなど下調べをしよう

一通り情報を集めたら、今度はネット。

実店舗と大きな金額差はないか、近いスペックの機種で他のメーカーからもっと安く出ていたりしないか、価格コムなどのレビューで極端な悪評価がついていないか、などを調べておきましょう。

買う時は実店舗で買うのがオススメ

いざ買う機種が決まったら、実際に買うのは実店舗がオススメ。

  • 一部割引交渉ができる(ネットだと当然交渉できない)
  • 買うまでに不明な点があれば気軽に質問できる
  • ネットで買ってもそれほど金額は変わらない
  • 突然セールをやっている場合がある

あたりがメリットです。特に三点目と四点目は割と重要で、僕が調べた限りだと白物家電はあまり金額差がなく、価格コムの最安と比べても四千円くらいの差しかありませんでした。また四点目については、価格コムの最安より一万近く値引きされている洗濯機もありました。(このあたりの機種で探してるんですけど何かオススメはありませんか、という聞き方をしてみてもいいかもしれません)

あと、ネット上の在庫情報はリアルタイムじゃないので、実際いって聞いてみると実はあったとか、検索にはひっかからないけどこういうのもあるよ、みたいな情報も店でぽこっと出てきたりします。

割引交渉をしてみよう

割引交渉、苦手な方も多いと思います。僕もそんなに得意じゃないです。

おすすめなのは、ケーブルなどの周辺機器とか送料関係。

上であげた価格コム最安よりも安い機種についてはさすがに心情的にも交渉がしづらく、「これとこれとこれ、まとめて買うんで階段荷揚げ代金タダになりませんか」という言い方を試してみたのですが、OKしてくれました。あとはケーブルとかですね。買う時に「あっそうかーこれも要るんだー」みたいなノリで「えーこれ必要なのーオマケしてくださいよー!」と軽くいってみたら、そのへんもOKでした。

どの程度までならいけるのかは僕も当然わかりませんが、直接値引きするよりはこちらも言いやすいですし、多分店員的にも値引きしやすいんじゃないかと思います。

その他、「これここまで値引いてくれたらここで決めますよ!」とか、「ポイントオマケして!」みたいな言い方も良いかも。

ネット通販だとこの値段ですよ、という話もできますが、前述の通り白物家電は何万も違うわけではないのと、「無店舗でやってるお店とは比較できません」みたいなスタンスのお店もあるのであまり期待できないかも…。ただ、あまりに金額が違う場合は話のとっかかりとして見せてみるっていうのはたまにやります。(もしくは別の店に行っちゃうか…)

但し実店舗は勧誘がちょっとウザい

僕がされたのはウォーターサーバーとネット回線の勧誘。

ウォーターサーバーは「今の時期だけ設置無料なんでおすすめしてるんですよー」みたいな言い方をされたんですが、ペットボトルとかで買うのとそこまで金額が変わらなかったのと、検索してみると普通に普段から設置無料でやってるらしいので断りました。本体の金額じゃなくて水売って儲けるっていうビジネスモデルみたいですね。使わなくなったら本体が単に邪魔になるだけだなというのと、そもそも水道水で良くねえか、っていう。

ネットは既に契約してたんで断りましたが、すっごい食い下がってきました(笑)。Yahoo!光にしたらソフトバンクの携帯回線割引になりますよー、みたいなことまで提案してくれたのですが、正直ちょっとウザかったという(笑)。まあネット系の営業はそんなもんか…。

自分の経験だけで語ってしまうのは良くないよねというお話

自戒もこめて。

何か問題が発生した時の解決方法って、つい自分の経験の中で知ってるものを言っちゃうと思うんです。なぜなら解決できたっていう事実が自分の中で強く残ってるから。

ただ、よく考えたら当たり前なのですが、他にエレガントだったりコストが大幅に安かったりという方法がある可能性は当然あって、その事例っていうのは自分が解決した方法よりも過去に先人が解決した方法の方が多いはずです。

自分が解決した方法っていうのはサンプル数がn=1のアンケートっていうのとイコールなんで、そう考えると信憑性全然ゼロに近いやんけっていうのは分かってもらえると思うんですが、逆に考えると自分の経験っていうのはそれだけ自分の中で強くインパクトを残していくわけです。

特に何か実例があっての話ではないので例が出せなくて恐縮なのですが、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」というビスマルクの言葉を引用しておきたいと思います。

 

「キングスマン:ゴールデンサークル」を見ました

www.foxmovies-jp.com

二時間半の長さながら、それを感じさせない作り

正確には141分と、かなり長い映画になってます。

後から思い返してみると、「このエピソードまるまる削れたんじゃねえの」とか思うシーンもなくはないのですが、緩(ギャグ、謎ガジェット、エルトン・ジョン)急(アクション、ちょいゴア)があって、見ている間は全く長くは感じませんでした。

ハンバーガーを食べよう!

今作ではハンバーガーが重要?なアイテムとして出てきまして、ハードロックカフェではコラボメニューもやってます。(何にと言うとネタバレになるのでいいませんが、想像してくださいw)耐性がある人は見た後でもいいですが、100%楽しむためには是非映画を見る前に食べたほうがいいんじゃないでしょうか!でも後で文句は言うなよな!

ちなみにハードロックカフェのコラボメニューはめっちゃくちゃ量多いです。少食なわけじゃないですがぼくもオニオンフライ食いきれなかった…。ウイスキーとかもあるので、是非世界のお酒に思いを馳せながら一緒に。ボウモアとかもおいてるよ。

見た後ならHUBとかもいいかもしれませんね。紳士がエールをゆるゆる飲んでるってのはあまりイメージつきませんが、あそこもウイスキーとかもあったはず…。もしくはお近くにオーセンティックなバーがあればそちらでも。

前作との繋がりについて

前作見てなくてももちろん楽しめるのですが、前作に出てきた内容とかが出てくるので見てないと「?」ってなるシーンもあるかと思われます。今ならDVDとか安いので、是非みましょう!!

ちなみに前作と比較してどうだったかという話になると、前作は007の初期をイメージさせるスタイリッシュなスパイアクション、今作はもうちょっとバカ映画寄りに振ったイメージでしょうか。

補助線としておすすめするツイート

↑行く前にこの2つ頭に叩き込んどいでくれ!頼む!!!

ディズニー作品「ファイアボール」は何故面白いのか

ちょうど2017年で良かった作品というキャンペーンもやっていることなので、「ファイアボール」について紹介してみようと思います。たまたま今回、「ファイアボール読書感想文コンクール」において、「宇宙海賊レジナルド賞」を受賞しまして、宇宙海賊を名乗ることを許されるという栄誉をいただいております。上記のリンク先にて名前が乗った動画が(わざわざ!)作られて掲載されておりますので、よければ見てやってください。

ファイアボールとはどういった作品なのか

メルクール暦48650年。地球ともそうでないとも明言されない惑星において、4万8千年以上前にイルカといった野生動物とそれを含む自然環境は壊滅し、人類は自らの統治ロボットに委ねていた。しかしロボットはやがて貴族化し人類はそれに抵抗を見せ始め、人類の軍隊とロボット貴族との戦争はすでに2万年に及んでいた。

面倒なのでWikipediaから引用させていただきましたが、要は遠い未来を舞台としたSFコメディ作品です。

www.youtube.com

www.youtube.com

といいますか、無料で全話公開されてますのでこれを見ていただいたほうが早いかと思います(笑)。

SFとは何なのか

以前書いた別のエントリでも同様のことを書いたような記憶がありますが、SFっていうのは科学的に正しいかが重要なんじゃなくて、ロマンがあるかどうかが重要なんだと思ってます。もちろんサイエンスって言ってる以上あからさまに嘘を書かれても困るわけですが(笑)。ロマンっていうのはつまり想像の余地のことで、「遠い未来にはこういうことあり得るかも」「遠い宇宙にはこんな生物がいるかも」とか、そういう想像ができるって、ロマンがあるじゃないですか。

ファイアボールは何故SFたるゆえに面白いのか

「イルカが見たいわ」
「あなたはイルカを見たことがあって?」
「ただいまお屋敷の映像データベースを検索しております」
「ほう!これは愛らしい」
「そうよ、愛でてよし食べてよしよ…愛でてよし食べてよし?」
「データベースによりますと、約48,000年前まで、この地上で二番目に知能の高い生物だったとあります」
「人類は?」
「三番目のようです」

これは(一部要約していますが)第一話冒頭のセリフ。

このセリフほんとにレベル高いと思うんですけど、この短いやり取りの中だけでも、二人はイルカを見たことがない、でも屋敷のデータベースにはある(普段は必要としていないので外部HDDのような形で保存されていると思われる)、イルカを食べる人もいる(太地町とか?)、48,000年前までは存在が確認されていた、という事実が明らかにされています。

またイルカというチョイスも示唆的で、脳の密度が高いというのは有名な話ですが、SF作品でもアーサー・C・クラークイルカの島 (創元SF文庫)という作品を書いていたり、ちょっと違いますがトップをねらえでも電脳化されたイルカがヱルトリウムにのってたりしましたね。あと「イルカが攻めてきたぞ」の画像とかw

これが要はさっき僕が言いたかった、ロマンとか想像力とかの話なんですよ。語られていることと語られてないことのバランスが絶妙なんで、「じゃあ何故」っていう問いがいくらでも出てくると思います。

例えば一番目に頭のいいのは誰だったのか。幼年期の終わりみたいに「オーバーロード」みたいな存在が出てきたのか、それとも一番頭がいいのはロボットだと言いたいのか(生物って言ってるんでこれは違いそうですが)。愛でてよし食べてよしっていう場面でちょっと首をかしげてるので、食べるという概念はしってるけど意味はあまり飲み込めてないのではないか、とか。

見進めていくと人類とは戦争状態にあるということが分かるのですが、どのような理由で戦争になったのか、人類はどういった状況にあるのかも明らかにされません。さらにもっというと、遥かな未来の作品なので、もしかしたらそもそも舞台が地球ではないという可能性もあります。もうそうなってくるとディストピアものですが(笑)。

明確に描かれる「終末感」について

人類との戦争中であるという背景があるとしても、この作品では明確に終末感のある描写がなされます。例えば一期ではドロッセルお嬢様の文通相手とのやりとりの間で通信使が何人も犠牲になっているというセリフだったり、二期では明確にお屋敷が炎上しているシーンもあります。

その「明確に炎上しているシーン」に至っても、お屋敷の外が描かれることは一切ありません。ただ我々は画面の中から想像してそれ以外を想像することしかできません。

そしてその我々が想像するお屋敷以外の世界というのは、つまるところお屋敷以外の世界を知らないドロッセルお嬢様の世界ともイコールであるのです。